GENBA NOTE

外壁を貼り替えず、目立たなくした理由

以前に施工した倉庫の外壁補修のことを振り返ってみます。

以前からお付き合いのあるお客様から、倉庫の外壁が大きく欠けていると連絡がありました。知らない間に車を当て逃げされていたそうです。

お客様のご要望は、「できるだけ目立たなくしてほしい」というものでした。

最初は、似た柄のサイディングに部分的に貼り替える方法を考えました。ただ、既存の外壁はかなり傷んでいて、全体的に色あせも進んでいました。

そこに新しいサイディングを貼ると、柄が近くても、色や表面の状態は周囲と違ってきます。欠けた部分は直っても、今度は貼り替えた部分が目立つだろうと思いました。

材料のことも気になりました。

サイディングは2枚で1梱包になっていて、今回必要なのは1枚だけです。残った1枚をほかで使える見込みもありません。

貼り替えても周囲との差が残るかもしれない。そのうえ、使わない材料の費用もかかります。

これからも長く使う建物なら、費用をかけてでも、きちんと貼り替えた方が良いと思います。

ただ、この建物は、そう遠くないうちに解体することも検討されていました。

そう考えると、今回はサイディングを貼り替えるより、欠損した部分だけを補修して目立たなくする方が合っているのではないかと思いました。

欠損が大きかったので、何回かに分けて形を整え、周囲の少しくすんだ色に合わせながら、なるべく違和感が出ないように仕上げました。

お客様には、できるだけ自然な見た目に近づけ、最後にウレタンクリアで表面を保護することを説明しました。

ただし、サイディングに貼り替えた場合ほどの耐久性は期待できないと思うこともお伝えしました。

以前からお付き合いのあるお客様だったこともあり、「良いと思う方法でやってください」と任せていただきました。

工事が終わったあとには、「全然わからなくなったね」と言ってもらえました。

見た目については、ご要望に応えられたと思います。

ただ、施工した当時から、私自身は耐久性が少し気になっていました。

今でもその建物の前を通ると、補修した部分を確認しています。施工から半年以上たっていますが、今のところ、ひび割れや剥がれは出ていません。

今回、この記事を書くためにあらためて振り返ってみましたが、同じような補修をどの建物にも勧めるつもりはありません。

建物を今後どう使うのかによって、選ぶ方法は変わります。

今回は、新しくきれいに直すことよりも、余計な費用をかけず、できるだけ目立たなくすることを優先しました。

今振り返っても、今回の状況には、この方法が合っていたのではないかと思っています。

実際の施工内容や補修前後の写真は、施工事例「倉庫外壁の穴あき部分補修工事」で紹介しています。