水気に配慮して選んだ共用部の長尺シート貼り
掲載している費用は、施工時点での参考価格です。現場状況・施工範囲・材料費・税率等により、現在の費用とは異なる場合があります。
志摩市の宿泊施設で、フリードリンクエリアと自販機コーナーに長尺シート貼りを行いました。
天井エアコン吹出口からの結露や飲料こぼれが想定される共用部のため、床材の選定、既存床の扱い、接着方法を、使用状況と休館日施工の条件に合わせて判断した事例です。
ご相談のきっかけ
志摩市の宿泊施設より、フリードリンクエリアと自販機コーナーの床についてご相談いただきました。
担当者様からは、天井エアコン吹出口からの結露や、飲料をこぼした際にも滑りにくさに配慮した床材にしたいというご要望がありました。
自販機コーナーの既存床はクッションフロアだったため、当初は店舗用CFでの貼り替えも選択肢に入れていました。
一方で、隣接するフリードリンクエリアとの見え方や、共用部としての使われ方も合わせて考える必要がありました。
施工前の状態

施工前の自販機コーナーは、既存のクッションフロアが貼られている状態でした。
自販機、冷蔵設備、電子レンジなどが置かれており、飲料まわりの使用が日常的に想定される空間です。

フリードリンクエリアには、カウンターや什器が設置されていました。
床の貼り替えだけでなく、既存什器をどのように戻すか、出入口や周辺床との取り合いをどう納めるかも確認が必要でした。
現地で確認したこと

現地では、フリードリンクエリアと自販機コーナーで既存床の条件が異なることを確認しました。
フリードリンクエリアは既存床の上に増し貼りし、自販機コーナーは既存CFを撤去してから施工する方針としました。
また、湿気などの影響で端部がめくれやすい場所であることも施工上の確認点でした。
休館日を利用して施工できる日程だったため、臭気を伴う接着剤を使う場合でも、利用者への影響を抑えやすい条件がありました。
現地での判断

今回の判断ポイントは、既存床がCFだから同じ床材で貼り替える、という単純な進め方にしなかったことです。
自販機コーナーについては、店舗用CF案も含めて仕上がりイメージ図を6パターン提出し、施設側で検討していただきました。
検討の結果、自販機コーナーもフリードリンクエリアと同じ、サンゲツのリアルセーフティ PM-24099を採用しました。
結露や飲料こぼれへの配慮に加え、2つのエリアの床仕上げに統一感を持たせることも考慮しています。
施工方法は、場所ごとに分けました。
フリードリンクエリアは既存床を活かして増し貼り、自販機コーナーは既存CFを撤去してから長尺シートを貼る対応としています。
接着にはウレタンボンドを採用しました。
湿気の影響を受けやすい端部のめくれに配慮できることに加え、今回は休館日施工により臭気面の影響を抑えやすい条件があったためです。
施工内容

フリードリンクエリアでは、既存床の上にサンゲツ リアルセーフティ PM-24099を増し貼りしました。
カウンターや什器まわりの納まりを確認しながら、共用部として使われる範囲に合わせて施工しています。

自販機コーナーでは、既存のクッションフロアを撤去しました。
撤去後の下地にウレタンボンドを塗布し、オープンタイムを確保してから長尺シートを貼っています。
ウレタンボンドは、塗布後すぐに貼るのではなく、溶剤を揮発させる時間の取り方が仕上がりに関わります。
今回はオープンタイムを十分に取り、気泡が出にくいよう工程を進めました。
床材を貼った後は、既存什器を施工前と変わらない位置に復旧しました。
施工範囲は可能な範囲で清掃し、休館日明けの利用再開に向けて現場を戻しています。
施工後の状態

フリードリンクエリアは、カウンターや什器まわりに合わせて長尺シートが納まりました。
木目調の床材により、既存の内装やカウンターまわりにもなじむ仕上がりです。

自販機コーナーは、既存CFを撤去したうえで同じ長尺シートを貼りました。
フリードリンクエリアと床材をそろえたことで、共用部の床仕上げに統一感が出ています。
施工後は、自販機や備品類を戻し、施工前と同じように使える状態にしました。
床材だけでなく、周辺什器の復旧まで含めて対応しています。
今後について
飲料を扱う場所や空調の影響を受ける場所では、床材の表面だけでなく、端部や継ぎ目の状態も確認していく必要があります。
今後、めくれや浮き、汚れの残りやすさなどが気になる場合は、使用状況を見ながら部分補修や追加対応を検討できます。
共用部の床は、利用頻度や設置されている設備によって傷み方が変わります。
床の貼り替えだけで判断しにくい場合も、下地や周辺部の納まりを含めて確認します。
谷岡建設からのコメント
宿泊施設や店舗の床工事では、既存床の種類だけでなく、その場所がどのように使われるか、いつ施工できるかも踏まえて施工方法を選びます。
今回は、店舗用CFという選択肢も検討したうえで、仕上がりイメージを比較し、フリードリンクエリアと自販機コーナーに同じ長尺シートを採用しました。
また、休館日を利用できたことで、ウレタンボンドの臭気による営業中の影響を避けながら施工できる条件がありました。
谷岡建設では、床材の選定だけでなく、下地の扱い、端部の納まり、施設の営業日程も確認しながら、その場所の使い方に合う施工方法を検討しています。
使い方に合う床材と施工方法を
フリードリンクエリアや自販機まわりなど、水気が気になる床は、既存床の状態や営業日程によって施工方法が変わります。
床材をどう選ぶか、増し貼りか撤去後に貼るかも含めて、施設の使い方に合わせて検討できます。